2026年7月27日、月曜の19時。長野県松川町のキャンプ場〈まつたけ小屋 梅松苑 CAMP FIELD〉のInstagramに、60秒のリールを1本投稿した。翌日、施設のランディングページ(LP)へのアクセスは19件——平常時の約6倍に跳ねた。しかも19件すべてが、Instagram経由だった。
この記事は、その「投稿の翌日」に何が起きたかを、自社開発の計測ツールで記録した実測データごと公開するレポートです。数字はすべて2026年7月29日時点の実測値。推定や「体感」は一切含みません。どう計測したか、どこまでが言えてどこからが言えないのか、その線引きまで含めて書きます。
「投稿しっぱなし」をやめるための設計
SNS運用の報告は、多くの場合「再生数」で終わる。再生2万回。フォロワー増加。それ自体は嬉しい数字だが、施設の経営者が本当に知りたいのは「で、予約は入ったのか?」のはずだ。
ところが、ほとんどの運用ではこの問いに答えられない。理由は単純で、答えるための計測を最初から仕込んでいないからだ。投稿と予約のあいだには「プロフィールを開く」「リンクを踏む」「LPを読む」「予約サイトへ進む」という長い廊下がある。この廊下に照明がなければ、月末に言えるのは「今月も再生されました」だけになる。
そこで梅松苑では、投稿から予約までを一本の導線として設計した。構造はシンプルで、リール→プロフィールのリンク→LP→予約サイト「なっぷ」の4ステップ。そのうえで、LPに自社開発のアクセス計測ツール「NARERU JOURNEY」を仕込み、誰がいつどこから来て、予約ページへ進んだかを全件記録できるようにした。
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何を、どう数えているか——数字の定義を先に
データの話をする前に、数え方を明確にしておきたい。ここが曖昧な「実績」は、どれだけ数字が派手でも信用に値しないからだ。
- LPアクセス:梅松苑LPへの訪問をセッション単位で記録したもの。参照元(どこから来たか)と入口URLも同時に記録している。Instagramのプロフィールリンクには計測用のパラメータを付けており、「プロフィール経由」を機械的に判別できる
- なっぷ予約ページへの遷移:LP内の「予約する」リンクのクリックを全件記録し、同一の方が複数回クリックした場合は1件に集約した人数ベースの数字。水増しを避けるため、クリック回数ではなく人で数える
- 実際の予約:遷移の日時リストを施設に共有し、施設側が予約台帳と突き合わせて確認した件数。当社が推定した数字ではない
なお、この計測はCookieベースのため、同じ方が別の端末から訪れた場合は別カウントになる。完璧な計測は存在しない。だからこそ「何をどう数えたか」を開示することが、数字の信頼の最低条件だと考えている。
投稿翌日、LPアクセスは平常時の約6倍
24時間の内訳 ― 反応は「深夜」と「翌夕方」に来た
時間帯別のログを見ると、視聴者の動きはもっと立体的に見えてくる。投稿は19時。最初の反応は投稿1時間後の20時台に1件。そのあと面白いのは深夜0時〜2時台に3件の流入があることだ。寝る前にベッドでリールを眺めていて、「お盆の予定、まだ決まってない」という一言が刺さった人たちだと推測できる。
翌朝は6時〜8時台に5件。通勤前のチェックタイムだ。そして昼休みの11時〜13時台に5件、15時台に3件、夜21時台に2件——ほぼ丸一日、途切れずに流入が続いた。1本のリールの寿命は投稿直後だけではない。アルゴリズムがおすすめ面に載せ続ける限り、24時間コンスタントに人を運んでくる。
ちなみに、11日前の7月16日に投稿した1本目(認知型)の翌日は6件で、平常時の約2倍だった。認知型はゆるやかに、速攻型は鋭く跳ねる。2本の役割の違いが、流入の形にもそのまま出たことになる。
この数字の、どこが重要なのか
まず、翌日の19件がすべてInstagram経由だったこと。リールを見て、プロフィールを開き、リンクを踏んでLPまで来る——この3ステップを踏んでくれた人が、たった1本の投稿の翌日に19人いた。再生数の内側で、確かに「行動」が起きていたということだ。
再生数だけを見ていたら、この動画は「3,313回か、コテージ回(22,918回)の7分の1だな」で終わる。しかし導線の数字を見ると、評価は逆転する。7月の予約ページ遷移の急増を作ったのは、再生数最下位クラスのこの1本だった。どの数字で動画を評価するかによって、次に作るべき動画は変わってしまう。
次に、予約率33%という数字。LPからなっぷの予約ページへ進んだ人の3人に1人が予約に至っている。これは偶然ではないと考えている。動画の段階で「静かな穴場」「手ぶらOK」「ひとり3,000円」という期待値を正直に揃えてあるので、LPに来る時点で「条件が合えば予約する」人に絞り込まれている。導線の上流で嘘をつかないことが、下流の予約率を作る。
そして一番大切なのは、12件という数字が施設の予約台帳と照合済みであることだ。「LPから予約ページに飛んだ」は計測ツールでわかる。しかし「本当に予約したか」は施設にしかわからない。そこで遷移の日時リストを施設に共有し、前後1時間の幅で予約データと突き合わせてもらった。返ってきた答えが「12件です」。数字を推定で語らない。ここまでやって初めて「SNSが予約を生んだ」と言えると考えている。
自分の施設でやるなら ― 最低限そろえる3点セット
この仕組みは、特別な予算がなくても再現できる。必要なのは次の3点だ。
1. 受け皿のLP。Instagramのプロフィールから飛ぶ先が公式サイトのトップページだと、視聴者は「予約はどこ?」で迷って消える。動画で期待した世界観のまま、予約までまっすぐ進めるページを1枚用意する。
2. 計測の仕込み。プロフィールのリンクに計測用パラメータを付け、LP側でアクセスと予約リンクのクリックを記録する。「どの投稿の翌日に、何人動いたか」が見えるだけで、投稿の評価軸が再生数から行動数に変わる。
3. 予約データとの照合の約束。月に一度、遷移リストと予約台帳を突き合わせる10分の作業を、施設側と最初に合意しておく。ここまでやると、SNS運用は「なんとなく良さそう」から「先月は◯件の予約を生んだ施策」に変わる。
この実測から言える3つのこと
- 計測できない導線は、改善できない。投稿→LP→予約ページの各ステップを記録して初めて「どこで人が落ちたか」がわかる
- 再生数と予約は、別の数字。7月の予約ページ遷移の急増を作ったのは、再生数最下位クラスの1本だった。評価軸を間違えると、次の企画も間違える
- 最後は、施設の実データと照合する。「予約が増えた気がする」ではなく、予約台帳との突き合わせまでやる。それが数字の信頼をつくる
この取り組みの全体像(制作したリール、ギャラリー、数値実績)は梅松苑さまの実績ページにまとめている。「うちの施設でも数字は出るのか?」という方は、LINEの無料相談からお気軽にどうぞ。現状の集客と目的をお聞きしたうえで、導線の設計からご提案します。