メンバー募集の動画を、2日前に投稿した。その反響が、どうだったのか——。長野県飯田市の社会人サッカーチーム「レザルプ」の第2話「仲間」は、その報告から始まる。実はこの回、再生数を狙った動画ではない。1話で「この挑戦を応援してください」と投げかけた次に、「この物語は、ちゃんと続く」という安心感を届けるための一本だった。株式会社NARERUが運用する実データとともに、その狙いと、見えてきた課題を解剖する。
2話の役割 ― バズではなく「続く」という安心感
レザルプは長野県飯田市を拠点とする社会人サッカーチームで、SNS運用は株式会社NARERUが手がけている。1話「決意」は、0-6の大敗という出発点を見せ、「何者でもない人間が、ゼロからチームを作る。この挑戦を応援してほしい」と投げかけた回だった。再生数は6,957回。
2話の役割は、その反響を見せることだった。狙いは、バズらせることではない。1話を見てくれた人に「この動画は、ちゃんと続いていくんだ」という継続の安心感を届けるために投稿した。目的が違えば、評価する数字も変わる。
お悩みの方はお気軽にご相談ください
フックに潜んでいた、ひとつの落とし穴
動画は、こう始まる。「2日前に投稿した、メンバー募集の動画」。その反響がどうだったのかを語る、という構成だ。「メンバー募集」というキーワードで、続きを気にさせるねらいだった。
届いたのは、たくさんの「やりたい!」という声。飯田市に、同じ想いを持つ人がこんなにいた。「チームがなくて諦めていた」。そんな人たちが、一歩踏み出してくれた。1年ぶりでも、初心者でも歓迎する——その姿勢が、共感の受け皿になった。
「2日前に投稿した、メンバー募集の動画——。」
ただ——ここに、あとで数字に表れる落とし穴があった。フックの最初の3秒に、サッカーをしているシーンを入れられなかったのだ。「2日前のメンバー募集の動画」という言葉から入ったため、スクロールしてきたサッカー関係者が「これは自分に関係がある」と気づく前に、通り過ぎてしまった。
- 冒頭3秒に「何のアカウントか」が一目で伝わる画を必ず置く。今回ならサッカーのシーン
- 主催者の本音は人間味になる。ただし“言葉”だけでなく“絵”でも掴む
- 目的を先に決める。バズか、継続の安心感か、フォロー獲得か。設計が変わる
数字を読む ― 5,203回再生の中身
2話の再生数は5,203回。1話の6,957回には届かなかった。ただ前述の通り、この回はバズ狙いではない。大事なのは数字の“中身”だ。そこに、このアカウントの本質的な課題が表れていた。
プロフィールアクセス241に対し、フォローは5。届いて、覗いてもらえているのに、最後の「フォロー」という一歩に至らない。この転換率の低さこそ、2話がデータで突きつけた現実だった。
1話との落差 ― フォロー転換が語ること
1話と2話で、動画経由のフォロー獲得には大きな差が出た。2話はバズを狙った回ではない。それでも「241人が覗いて5人」という転換率の低さは、目的に関わらず向き合うべき課題として残った。
1話「大敗→決意」は、誰もが感情移入できる普遍的な物語で、フォローという行動まで一気に運んだ。2話は反響を見せる回で、そもそも狙いが違う。ただし共通して見えたのは「アクセスはあるのにフォローされない」という、このアカウント固有の弱点。原因は、次の見出しのフックにある。
なぜフォローされなかったのか
答えは、冒頭3秒のフックにあった。「2日前のメンバー募集の動画」という言葉から入ったため、サッカーをしている画が一度も出てこなかった。発見タブやリールでスクロールしてきたサッカー関係者が、「これは自分に関係がある」と気づく前に、離脱してしまう。維持率が50%を切ったのが7秒——まさにフック直後だ。
解決策はシンプルだ。フックの最初の数秒に、必ずサッカーのシーンを入れる。「何のアカウントか」を、言葉より先に、絵で伝える。そうすれば、本当に届けたいサッカー好きの指が止まり、プロフィールから先の「フォロー」まで進みやすくなる。次回以降、ここを徹底する。
残った課題 ― 次に活かす2つの反省
プロフィールアクセス241に対し、フォローは5名。「見には来るが、フォローしない」状態。フォローする理由=「この続きを見たい」を、冒頭で提示しきれていない。このアカウントが一貫して抱える最大の課題。
冒頭3秒が「2日前のメンバー募集の動画」という言葉だけで、競技の画が無かった。サッカー関係者が自分ごと化する前に離脱(50%割れが7秒)。次回以降は、フックに必ずサッカーのシーンを入れ、届けたい層の指を止める。
この事例から学べること
- 目的を先に決める。バズ・継続の安心感・フォロー獲得で、設計も評価する数字も変わる
- フックの3秒は“言葉”より“絵”。何のアカウントかを、競技シーンで一目で伝える
- アクセス→フォローの転換率を追う。覗かれているのにフォローされないなら、疑うべきは冒頭の見せ方
2話は、数字を狙った回ではない。「この物語は続く」という安心感を届ける目的は、ちゃんと果たした。同時に、このアカウント最大の課題——フォロー転換率の低さと、その原因(フックにサッカーの画が無い)——を、データではっきり可視化できた。
株式会社NARERUは、この発見を次の一手に直結させている。フックの冒頭に必ず競技シーンを入れ、届けたい層の指を止める。成果も課題も隠さず、数字から次の設計図を描く。それが、SNS運用の本当の仕事だ。その後どう改善したかは、次の記事で紹介する。