秦アキラ
秦アキラ
株式会社NARERU 代表取締役

南信州・飯田市で生まれ育ち、地域の中小企業のAI活用・SNS運用・Web集客を支援。「地域の事業者を、テクノロジーでもっと自由に。」をミッションに、株式会社NARERUを経営しています。

ドキドキもワクワクも、大切に」——夜のグラウンドに立つ二人の選手と、その一言だけ。長野県飯田市の社会人サッカーチーム「レザルプ」のリール連載、その立ち上がりに置かれた一本〈初練習〉は、計測時点で14,925回再生を記録した。連載のごく序盤からこの数字、そしてフォローは+70人。これは全14本のうち、最高の〈肝心〉に次ぐ2位の獲得数だ。なぜ“まだ誰もチームを知らない序盤”で、これだけ人を集められたのか。株式会社NARERUが運用する実データとともに解剖する。

3行でわかる、この回のまとめ
🎯
狙い|連載のスタートを「上手さ」ではなく「これから始まる予感」で見せる。チームの物語に序盤から人を巻き込む“入口”の回。
📊
結果|再生14,925回・フォロー+70(全14本で2位)・保存7・いいね141・コメント5。連載序盤としては突出した立ち上がり。
🔍
課題と次の一手|再生とフォローは強かったが、保存7はまだ伸びしろ。集めた人を“この先も見たい”に変える設計を、次の回に積み上げる。
秦アキラ
AUTHOR
秦 アキラ / 代表取締役・株式会社NARERU

BACKGROUND

物語の入口に置かれた、〈初練習〉という回

レザルプは長野県飯田市を拠点とする社会人サッカーチームで、SNS運用は株式会社NARERUが手がけている。0-6の大敗から始まり、メンバーを募り、挫折と覚悟をくぐっていく——リールはその過程を1本ずつ綴る、連続ドキュメンタリーとして設計されている。

〈初練習〉は、その物語の最も早い段階に置かれた回だ。チームが集まり、初めてグラウンドで顔を合わせる夜。タイトルに重ねたのは「ドキドキもワクワクも、大切に」という一言だった。まだ実績も知名度もない“ゼロからの始動”の回が、連載序盤から14,925回まで伸び、+70人の新規フォロワーを連れてきた。立ち上がりとして、これは決して小さくない数字だ。


HOOK DESIGN

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上手さではなく「始まりの空気」で掴んだ冒頭

冒頭に映るのは、夜のグラウンドに立つ二人の選手。オレンジと紺のチームウェアをまとい、葉の落ちた木立を背に、これから始まる練習を前にしている。画面いっぱいの白い2文字——「初練習」。その下に「ドキドキもワクワクも…大切に」。プレーの華やかさも、勝敗の緊張もない。あるのは、何かが始まる前の、あの独特の空気だけだ。

この設計の狙いは明確だ。連載のスタートで「強いチーム」を見せても、まだ誰も知らない以上は刺さりにくい。そこで打ち出したのは、「これから始まる」という誰もが経験したことのある高揚感だ。新しい職場の初日、新しい習いごとの一歩目——「ドキドキもワクワクも」は、サッカーをしない人の記憶にも触れる。掴んだのは技術ではなく、始まりの感情だった。

「初練習」── ドキドキもワクワクも、大切に。

2文字の見出し一瞬で世界観
ドキドキもワクワクも始まりの感情
夜のグラウンド飾らない現場感

「ドキドキもワクワクも、大切に」は、サッカーの外にも届く。何かを新しく始めるすべての人が、自分の“最初の一歩”を重ねられる。実績ゼロの序盤回でも14,925回まで伸びたのは、競技の動画を「始まりの動画」に変えたからだ。それが、この回が連載の入口として強く機能した理由になっている。

“立ち上がり”でフックを立てる原則
  • 知名度ゼロの序盤は「強さ」より「共感」。誰もが経験した感情を冒頭に置く
  • 説明より余白。情報を削り、見る人に“自分の最初”を想像させる
  • 飾らない現場感(夜のグラウンド)が、リアリティと親しみを底上げする
レザルプ〈初練習〉冒頭カット
冒頭カット。夜のグラウンドに立つ二人の選手と、「初練習 ― ドキドキもワクワクも…大切に」の一言。

DATA ANALYSIS

数字を読む ― 14,925回再生の中身

再生数だけでなく、その再生が「どんな行動を生んだか」を、シリーズ全体の中で読み解く。〈初練習〉は、序盤の回でありながら“人を連れてくる力”が際立っていた。

14,925回
再生数(連載序盤の一本)
知名度ゼロの立ち上がりで、多くの回が5,000〜7,000回前後で推移する中、序盤からその約2倍。スタートダッシュとして十分な伸びを見せた。
+70人
この動画経由の新規フォロー(全14本で2位)
フォロー獲得は、最高の〈肝心〉(+147)に次ぐ全話2位。「始まりに立ち会いたい」と、この先を追う動機を作った。立ち上がりとして理想的な数字だ。
7件
保存数
保存は7件。再生・フォローの強さに比べると控えめで、ここが伸びしろ。「後で見返したい」と思わせる作り込みは次の課題。
141 / 5
いいね / コメント
いいね141・コメント5。始まりの空気に共感した人が、軽い反応で背中を押した。コメントの少なさは、まだ語る文脈が浅い序盤ゆえとも読める。

注目すべきは、再生とフォローが同時に強かった点だ。再生は「見られた数」、フォローは「この先も見たいと思われた数」。序盤からこの2つが揃ったことは、連載のエンジンが最初からかかっていたことを意味する。一方で保存が7と低いのは、この回が“その場で味わう”性質だったため。深く残す価値をどう足すかが、次の宿題になる。


COMPARISON

シリーズの中での位置 ― 14本を並べて見る

同じチーム、同じ運用、同じ連載の中で、〈初練習〉はどこに位置するのか。再生数を並べると、「序盤の一本」としては明確に上位だったことが分かる。

再生数の比較(レザルプ・リール/計測 6/24時点)
肝心 45,986
憧れ 28,671
初練習 14,925
多くの回 約5,000〜7,000

突出した〈肝心〉45,986回・〈憧れ〉28,671回には及ばないが、〈初練習〉14,925回は、5,000〜7,000回で推移する多くの回の約2倍。しかもこれを“まだ誰もチームを知らない序盤”で達成している。後半の伸びは積み上がった文脈に支えられるが、〈初練習〉は文脈ゼロからこの数字を出した。立ち上がりの強さは、連載全体の土台になる。


WHY

なぜ〈初練習〉は序盤から人を集められたのか

理由は2つに整理できる。1つは感情の普遍性だ。「ドキドキもワクワクも、大切に」は、サッカーを知らない人にも届く。新しいことを始める時の、あの胸の高鳴り——誰の記憶にもある“最初の一歩”に重なる。実績や強さでは序盤の母数を広げられないが、誰もが知る感情に振った瞬間、自分ごと化できる人の数が一気に増えた。フォロー+70という獲得力は、この共感の強さの表れだ。

もう1つは“続きを見たくなる”入口設計だ。〈初練習〉は完結する一本ではなく、明らかに「ここから物語が始まる」という回として作られている。だからこそ、見た人の一定数が「この先どうなるのか」を追うためにフォローした。再生で広く届き、フォローで関係を結ぶ——この2段構えが、連載のエンジンを序盤から回した。突出した爆発こそ後の〈肝心〉に譲るが、その爆発を支える“ファンの土台”は、こうした序盤回が一人ずつ積み上げている。


ISSUES

残った課題 ― 立ち上がりの勢いを“積み上げ”に変える

保存7件 ― “その場の共感”を“残す価値”に変える。
再生14,925回・フォロー+70に対し、保存は7件にとどまった。始まりの空気は心地よく流れていくが、「後で見返したい」と思わせる引っかかりは弱い。次の回では、見た人が手元に残したくなる一言や情報を一つ仕込む余地がある。
集めた+70人を、連載の継続視聴につなげる。
序盤で得た+70人のフォロワーは、チームの最初の応援団だ。この人たちが2本目、3本目を見続ける流れを作れるかが、連載が伸び続けるかの分岐点になる。入口の強さを、離脱させずに次の回へ渡す導線が次の仕事だ。

TAKEAWAY

この事例から学べること

“立ち上がりで人を集める”3原則
  • 知名度ゼロの序盤は、強さより共感。「始まりの高揚感」のような誰もが知る感情が、文脈のない序盤でも母数を広げる
  • 冒頭は言葉だけで掴む。説明を削り、余白で見る人に“自分の最初の一歩”を想像させる
  • 再生だけでなくフォローを取りにいく。「続きを見たい」と思わせる入口設計が、連載のエンジンを序盤から回す

〈初練習〉が示したのは、SNSの連載は“最初の一本”で土台が決まるという事実だ。多くの回が5,000〜7,000回で推移する中、まだ誰もチームを知らない序盤から14,925回・+70人を集めた。その差を生んだのは、実績ではなく“始まりの感情”に振り切った設計だった。

株式会社NARERUは、成果も課題も隠さず数字で読み、勝ち筋を次の設計図に変えていく。後の爆発を支えるのは、こうした序盤の地道な積み上げだ。レザルプの物語は、ここから始まる。