7本のうち、最も再生が伸びなかった一本。830回。狙い自体は悪くなかった。では何が起きたのか。現場の言葉から、その理由を正直に読み解く。
整体客から“ランナー”へ、舵を切った一本
PRO-motion(プロモーションコンディショニング)は、整体・コンディショニングを軸に、ランナーやスポーツ愛好家の身体の悩みに応える専門院。SNSでは「症状を特定したサムネ」でターゲットを絞り、悩みを持つ人にピンポイントで届ける情報提供型のフィード運用を行ってきた。
この回から、ターゲットを「整体の既存客」から「中年ランナー」へと大きく切り替えた。色味を変え、年代層も若くし、ランナーという特定層に届ける設計に振った。
お悩みの方はお気軽にご相談ください
この1本は、誰に向けて作ったか
「中年ランナー特有の“膝の痛み”、正しい走り方は?」
ランナーという明確な層に、膝という具体的な症状で切り込む。ニーズの絞り方は的確だ。だが結果は7本で最下位だった。
数字を読む
なぜ、この1本だけ最下位に沈んだのか
最下位の根は、内容の良し悪しではなく「既存フォロワーとのターゲットの落差」にある。それまでのフィードは整体の既存客に向けて積み上げてきた。そこへ突然、年代も色味も振り切った「中年ランナーの膝」が流れてくる。フォロワーのタイムラインに最初に届くのは既存層だ。彼らが「これは自分向けではない」と一瞬で判断すると、序盤の反応が鈍る。Instagramフィードは序盤の反応をシグナルにして配信先を広げるため、最初に既存層が滑ると、新しいランナー層へ届く前に勢いが止まってしまう。
つまり、ターゲットを変えること自体が悪いのではなく、連続するメディアの中で「前の1本」と「この1本」の落差が大きすぎたことが効いた。新しい層に当てるなら、既存層が離れない橋渡しの投稿を挟み、アルゴリズムに「このアカウントは誰のものか」を見失わせない移行設計が要る。落差を地ならしできていれば、同じ企画でもここまで沈まなかった可能性が高い。
現場の言葉から読み解く
中村は核心を突いている。「1本前との差が大きすぎた」——これがすべてだ。前回は整体の再発、今回は急にランナーの膝。既存フォロワーから見ると「このアカウント、急に別物になった」と映る。SNSは“連続するメディア”であり、1本ごとにターゲットが飛ぶと、フォロワーは「自分向けじゃない」と判断して離れる。さらに「動画がフィードの中盤に配置され離脱を招いた」——複数枚フィードでは、動画を最初に置かないと再生まで到達しない。配置の問題だ。
この事例から学べること
- 連続する投稿のターゲット落差を小さく保つ。急な方向転換は離脱を生む
- 複数枚フィードは、見せたい動画・要点を1枚目に置く
- ターゲットを変えるなら、移行を“地ならし”してから