再生数だけを眺めていても、SNSは1ミリも上達しない。大事なのは「その再生が、どんな行動を生んだか」だ。梅松苑のリール4本を、すべて“率”に変換して読み解く。ここから見えるのは、再現できる成功と失敗の方程式だ。
STEP 1 — CONVERT
生の数字を、すべて「率」に変換する
再生数は母数が違うので、そのままでは比較できない。いいね・保存・フォロー増を、すべて再生数で割って“率”にする。これがプロの第一歩だ。
| リール | 再生 | いいね率 | 保存率 | フォロー転換率 |
|---|---|---|---|---|
| コテージ | 18,799 | 1.40% | 0.197% | 0.27% |
| 山菜天ざる | 8,528 | 2.04% | 0.30% | 0.15% |
| ラジキャン | 2,895 | 2.90% | 0.14% | 0.24% |
| ドームテント・夏 | 1,531 | 2.74% | 0.065% | 0% |
この一枚の表に、運用4本の真実がすべて詰まっている。順に読み解く。
STEP 2 — READ
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数字が語る、5つの法則
LAW 01
再生が伸びるほど、エンゲージ率は“下がる”(これは正常)
最も伸びたコテージのいいね率は1.40%で最下位、最も伸びなかったラジキャンが2.90%で最高。リーチが広がると「ついで見」の薄い視聴者が混ざるからだ。エンゲージ率の高さで動画の優劣を判断するのは素人。母数が小さいほど率は高く出る。
LAW 02
フォロワーを増やすのは「率」ではなく「リーチ × 転換」
フォロー転換率はコテージ0.27%・ラジキャン0.24%とほぼ同じ。なのに獲得数は+51 対 +7。差は再生数だけだ。転換率は頭打ちで横並びになる。伸ばすべきは転換率ではなく、リーチ(再生)。すべては冒頭3秒の掴みで決まる。
LAW 03
“食”と“世界観”は、役割がまったく違う
山菜(食)は保存率0.30%で1位だが、フォロー転換は0.15%で低い=「今すぐ行きたい」を刺激する予約直結型。コテージ(世界観)は保存中位だがフォロー転換0.27%で1位=「ファンになる」関係構築型。予約を取りたい月は食、フォロワーを育てたい月は世界観。使い分けが設計の肝だ。
LAW 04
ドームテント・夏は“エンゲージ以前”に死んでいる
いいね率2.74%は悪くない(見た人の一部は反応した)。なのに保存0.065%・フォロー0%・再生最下位。つまり「そもそも見られず、見た少数も誰も動かなかった」。問題は中身ではなく入口=冒頭でリーチを殺している。改善点が明確だ。
LAW 05
「保存」は、予約の先行指標である
観光施設にとって最も価値あるシグナルは保存(=行きたい候補入り)。山菜26件・コテージ37件がここで効いている。いいねは流れて消えるが、保存は残り、後日の予約につながる。追うべき指標は、いいねより保存。
STEP 3 — FORMULA
成功と失敗の方程式
成功(コテージ)
冒頭でリーチを取る
人+シズルで掴む → 大きな母数 × 安定した転換率 → フォローと保存を「量」で稼ぐ。売り込みは最後の一枚だけ。
失敗(ドーム夏)
冒頭で売り込む
煽り+文字で対象を絞る → リーチが死ぬ → 母数ゼロだから全指標が連鎖的に死ぬ。中身以前に入口で終わる。
STEP 4 — ACTION
データが示す、次の打ち手
梅松苑の運用方針(数字の結論)
- KPIの主軸は「リーチ(再生)」に置く。フォロワー増の唯一のレバー。冒頭3秒に投資を集中する
- “食”を四季で連投する。保存率が構造的に高く予約に直結。春の山菜→夏のBBQ→秋の松茸→冬のジビエ
- 全リールに「保存したくなる情報」を1つ。季節限定・予約方法・行き方。保存率を底上げする
HONESTY
正直に ― このデータの限界
私たちは「分かったフリ」をしない。今の4指標(再生・保存・いいね・フォロー増)だけでは、推測で止まる部分がある。次月から、こう取得する。
シェア数 ― 拡散の源泉。どれだけ「人に見せたい」と思われたか。
視聴維持率(何秒で離脱したか) ― 冒頭3秒の良し悪しを“秒”で証明できる。
リーチ内訳(フォロワー / 非フォロワー) ― 新規にちゃんと届いているかが分かる。
この3つが揃えば、「なぜ伸びたか」を推測ではなく断定できる。数字を、感覚ではなく仕組みで読む。それがNARERUのSNS運用です。